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養蜂冬

初詣の人波に便乗して蜂蜜を売ってみた

氷点下の神社前で二日間。値下げをしない蜂蜜の売り方を、初詣の人波が教えてくれた。

神通力たっぷりのお隣さんに手伝ってもらい、お正月休みは初詣の人波にちゃっかり便乗する形で、神社前の公園で蜂蜜の出店を出してみた。

綿入れの上着5枚、ズボン3枚を着込んで、氷点下近い冷たい風の中で2日間。夫が想像していたほどは売れなかったけれど、私が覚悟していたほど売れ残ることもなかった。完売とはいかなかったが、値下げなしで2日間のうちに元が取れたのには、正直かなり驚いた。

出店の2週間前からずっと準備に追われていた。テーブルクロスとステッカーをデザインし、蜂蜜を瓶詰めし、手描きのポスターを作り、お釣り用の小銭を用意し……まるで小学生が校外学習の準備をしているような、あのワクワク感があった。もっとも小学生の頃はそんな楽しい行事を体験したことなどなかったのだけれど、三十路を過ぎた今からでも取り返せばいい。

ペット用品店(のような場所)の店先を借りて出店していたこともあり、毎日散歩コースにしているワンちゃんたちが次々とやってきて、勝手に「看板犬」を買って出てくれた。おかげで正月三が日にして、一年分の犬をモフり尽くした気がする。

そして今回、もうひとつ重要な発見(というか、はっきりした事実)があった。それは——「値下げは蜂蜜の売上アップにまったく意味がない」ということ。パッケージや容器の時点ですでにコストが押し上げられている以上、価格に敏感な客層はそもそも寄ってこない。買ってくれたのは、地元の農業や在来種のニホンミツバチを応援したいと思ってくれる、温かい人たちばかりだった。値段をあれこれ比べて一喜一憂するのは、結局自分を焦らせるだけなのだと思う。

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