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里山の借地

養蜂初夏

養蜂のために借りた土地で、思いがけずジュンサイ池と出会った話

土地探しの果てにたどり着いたのは、藤とホオノキの香る耕作放棄地と、蛍の出るため池だった。

最近、ほぼ完璧と言える土地を借りることができた。その土地の近くの林を歩いていたら、なんとジュンサイの群生地を見つけてしまった。感動である。

養蜂のために土地を借りるのは、実はハードルがかなり高い。おそらく一般的な感覚では「ミツバチ=危険」で、その危険度は「熊」とほぼ同列に扱われているからだ。待ち箱を見る→蜂群がいると分かる→熊が蜜を食べに山から下りてくると想像する→熊が人を襲うところまで連想する……という具合。

待ち箱をただ置くだけでも何かとトラブルが起きる。住宅地では、たとえ友人の許可があっても、地区長から「撤去してほしい」と言われてしまう。この春はずっと、あちこちに散らばった誘蜂箱を運んでは移動させ、また運んでは移動させ……結局何も誘えないまま終わってしまった。

堂々と巣箱を置ける場所を見つけるため、3月頭に直接、農業委員会に「養蜂に適した山林や農地はないか」と問い合わせた。委員会からの回答はずるずると遅れ、5月中旬になってようやく、土地を貸してくれる人が見つかった。

農業委員会は「私たちがたくさん蜂を飼うつもりだ」と思ったようで、わざわざ国道沿いの農地を紹介してくれたのだが、正直あまり良い立地ではなかった。隣の小さな土地では蕎麦を育てている人が定期的に除草剤を撒いているらしい。ただ幸い、田んぼや集落からは離れていて、巣箱を置いても誰かに文句を言われる心配はなさそうだった。

農業委員会を通じて契約する前に、地主さんと一度お会いした。とても物静かな人で、想像していたよりずっと若い方だった。20分ほどぎこちない世間話をした後、彼が「家の裏山にある、昔の蕎麦畑を見に行きませんか」と提案してくれた。

彼の話によると、村の裏の流山にはかつてたくさんの田畑があり、家々が代々農業を営んでいたそうだ。ただ、土地に頼って生きてきた世代がみな年を取り、もう山に入る体力がなくなってしまった。中には自分の家の土地がどこにあるかすら覚えていない人もいるという。村で一番若い彼は、農家ではないものの、時々家のトラクターに乗って山を一周する。そうすることで、山へ続く小道が植物に埋もれきってしまわないようにしているのだそうだ。おかげで、お年寄りが残した農地も葦やススキに飲み込まれずに済んでいる。

農業委員会がこの山の農地を勧めなかったのには理由があった。この村の山林の農地は、あまりに長く放置されていたため、今年すでに全部「山林・原野」に地目変更されてしまっていたのだ。山林として借りるのであれば、農業委員会を通す必要すらなく、民間の契約だけで借りられる。

彼の軽トラについて山道を少し登り、小さな林を2つほど抜けると、ようやく彼の家の蕎麦畑に着いた。蕎麦も野菜もとうの昔に栽培をやめていて、猪が掘り返したデコボコの穴だらけの土地が広がっているだけだった。木々にびっしりと絡みつく藤の花と、風に乗って漂ってくるホオノキの花の甘い香り、そして畑の間を小川のように流れる水路——それらにすっかり心を奪われてしまった。

地主さんが付け加えてくれた。「水路沿いをもう少し登ると、ため池が見えますよ。あそこは蛍がたくさん出るんです」。もし私たちがこの土地を借りるなら、山道は車で踏み固められて、もっと手入れしやすくなるだろう、とも。

誰も耕していないということは、農薬も除草剤もないということ。当然、熊を呼び寄せる心配も、蜜蜂が人を刺す問題も存在しない。まさに一石二鳥、話はとんとん拍子にまとまった。

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