軽い気持ちで東北支部大会に参加してきた。いつもの同好会のようなノリだろうと思っていたら、行ってみると小規模ながらしっかりした「学会」で、面白い発表をたくさん聞くことができ、その場で入会を決めてしまった。
この学会に集まる研究者たちが研究しているのは、たいてい私たちの日常生活や財産形成、経済発展、社会の進歩、AIやイデオロギーとはまったく関係のない、小さなキノコたち。しかもそのキノコは肉眼ではほとんど見えないか、見えたとしても見つけられない可能性が高い。それでも皆さんの情熱にあふれる姿を見ていると、ざわついた俗世から少し離れられたような、生きている実感を取り戻せた気がした。
とはいえ、夜の二次会では副会長にこう突っ込まれてしまった。「そんな儲からないことばっかりやって、一体どうやって85歳まで生きるつもりなんだ」(いえいえいえ……別に85歳まで生きたいわけじゃないんですけど……)。
普段の私は、食べられるキノコにしか手を出さないのだけれど、今回は半分研究目的でサンプルを大量に採集する必要があるとのことで、みんなでチームを組んで山に入り、何でも少しずつ採ってきた。ある学者さんは、私が林の中から掘り出したばかりの、バラバラに崩れた小さなキノコを両手で捧げ持ち、目を輝かせながら「このキノコ、もう10年以上研究しているのに、まだ正式な学名がついていないんです。これ、私に譲ってもらえませんか」と聞いてきた(もちろん、どうぞ)。
